2012年4月1日 『さくら』
「日本の春」といえば桜である。
当院でも春には桜が咲き誇り、楽しみにしている患者様、ご家族様がたくさんいる。
よみうりでは病院からよみうりランド敷地内にある約1000本の桜を見下ろせる。借景ではあるが他では見られない光景が好評である。
それに対し青梅では自前の桜が89本にのぼる。
当院の桜の始まりは20年ほど前にさかのぼる。
創業者である現会長が今はなきフェアモントホテルでの会合に出た際、ちょうど窓越し見えた千鳥ヶ淵の桜に感動し、病院でも花見ができるようにと植えたことに始まる。
今ではご入院中の方ばかりか、すでに当院でお身内を見送られたご遺族までもが在りし日の患者様を懐かしんで桜を見にいらっしゃる。最初に植えた動機は単純であるものの、それが結果として患者様やご家族様の良き思い出として大きな役割を果たしている。
「豊かな最晩年」をつくろうと意気込むと、つい難しく考えがちであるが、自らが感動したもの、心地良いと思ったことを素直に患者様、ご家族様に提供する。
これが私達の目指すところに近づく一番の方法ではないかと改めて思う。