理事長コラム『髭剃り』
2019年2月21日(木)
現場から「男性患者様の髭をもっときれいに剃りたい」との声があがった。
髭は個人差が大きい。
濃さや硬さ、生えている向き、皮脂の多さ、肌の状態など人それぞれ。
これに、肌のたるみや頬がやせてシェーバーが密着しにくいという
高齢者ゆえの難しさも加わる。
そこで、まず取り組んだのが電気シェーバーの検証である。
使いやすく性能の高いシェーバーはないか。
院内の男性職員に愛用品を聞いて回ったところ、
T字カミソリ派と電気シェーバー派に二分され、
さらに電気シェーバー派も使用機種は十人十色。
皆、色々と試した結果、お気に入りの一台にたどり着いたということも興味深かったが、同時に誰もが文句なく使いやすい万能なシェーバーはなさそうだということが分かった。
次は髭剃りの「技術」に着目した。
考えてみれば多くの女性にとって髭剃りは未知の領域であり、
「剃られ心地」となれば尚更であろう。
となると学ぶしかない。
ということで髭剃りの手引きを作成し、
男性職員にモデルを依頼して髭剃り研修を実施している。
女性のほうが長生きのせいか
高齢者施設において少数派の男性はなんとなく肩身が狭そうだ。
髭剃りのように、少数派の男性が快適に過ごすためにはまだ工夫の余地がある。