理事長コラム『親子の距離』
2019年8月8日(木)
現在、青梅に入院されている患者様の約4割が23区内からのご入院である。
決して近いとは言えない青梅を選んでいただき大変ありがたい気持ちと共に、ご家族様のお見舞いの距離を考えるとちょっと申し訳ない気持ちにもなる。
さて先日、当院でお身内を見送られたご家族様にお会いする機会があった。
その方のお母様は青梅に数年入院されたのち、よりご自宅に近いよみうりに転院され、そこで旅立たれるまでの数年を過ごされた。その方が意外な一言をおっしゃった。
「すぐお見舞いに行ける環境も良し悪しですね」
聞けば、片道1時間以上かかる青梅には週一回、予定を決めて足を運んでいたとのこと。
一方よみうりは自宅からすぐの距離。近くなって良かったと、数日とあけず通うようになった。
そのうち少しでも時間ができると「いま行った方がいいのかしら・・」と何をしていてもお見舞いの使命感が頭から離れない。
さらに青梅のころは「遠いのに悪いねえ」と感謝を口にされていたお母様が「近くなったのに中々来ない」と愚痴を漏らすようになってしまったのだという。
きっと親子には、それぞれに「ちょうど良い」距離というものがあるのだろう。
青梅とよみうり、ふたつの慶友病院がご家族様にとって「ちょうど良い」距離の選択肢となれたら嬉しい。