2013年2月5日 『親の心、子知らず』
当院では毎年ご家族様に満足度アンケートをお願いしている。
無記名にて各項目5段階で評価をして頂くのだが、一番の特徴はご家族様が沢山のコメントを書き入れて下さることである。大変多くの感謝やお褒めの言葉には大いに励まされ明日への元気をいただく。また忌憚のないご意見、ご要望は私達が次に取り組むべきことへのヒントとなる宝の山である。
しかし、ご意見の中に「本人が嫌がってもリハビリをさせてほしい」「本人がいらないと言っても頑張って食べさせてほしい」などのご要望を見つけたときには複雑な気持ちになる。
大切な親に少しでも元気で長生きしてもらいたいという思いは当然である。しかし、「頑張れ、頑張れ」と訓練を勧められたり、毎食「もう一口」と言われる晩年はご本人にとってどうなのだろうと悩む。
周囲の期待に応えるのもなかなか大変なのではないだろうか。
私の父である会長は「歳をとったら思い切りわがままにぐうたらに過ごしたい」と公言しているが、一方で私はいつまでも頑張って病院と私を支えて欲しいと期待してしまう。
まさに「親の心、子知らず」かも知れない。