2014年11月25日 『食欲の秋』
当院では「食べることは人生最大の楽しみ」と考え、
食に関しても様々な取り組みをしている。
食べる力が衰えた人にはミキサー食というのが通常の病院食かと思うが、
見た目も味も食欲をそそるとは言い難い。
そこで、当院では通常の食事とは別のレシピで作った柔らかい料理を
「ソフト食」としてお出ししている。
15年程前より始めた取り組みだが、最初はミキサー食をゼリーで固め、
かたちをつくることから始めた。
しかし、彩りは悪く冷たいメニューばかりになってしまった。
そこで、ゼリーから蒸し物中心に変え、温かいメニューが増えた。
また、増粘剤を止め野菜でとろみをつけたり、ソースの工夫で味も良くなっていった。
専用の食材選びに始まり、うらごしや隠し包丁を入れるなど
栄養士、料理人たちが工夫を凝らし、現在では69品に増えたメニューを
300名程に提供している。
ソフト食で一番大切にしていることは、
私たち健常人も美味しく食べられる一品であること。
道半ばではあるが、食べる力が衰えた患者様にも当院ならではの
「食欲の秋」を差し上げられるよう努力を続けたい。