理事長コラム『百寿者』
2017年4月28日
2016年の調査によると我が国の100歳以上の人(百寿者)が
6万5千人を超えたという。
調査が始まった1963年にわずか153人であった百寿者は
この50年で6万人以上増えたことになる。
さらに今から13年後の2030年には
現在の4倍強の27万人に達すると予測されている。
以前、百寿者のある女性患者様と話していたときにこんなことがあった。
「孫はかわいいものよ。孫が見舞いにきてくれるのが何よりも嬉しいの」
となんとも嬉しそうにおっしゃるので、微笑ましく思い
「お孫さんおいくつですか」と尋ねた。
すると「今年で定年だから60になるかしら」とのこと。
よく考えてみれば、子は80歳代で孫は60歳代でも不思議はないが、
孫と定年という単語がどうも結びつかない。
百年生きてきた人にはきっと私たちとは全くちがった景色が見えているに違いない。
現在当院で過ごす百寿者は両院合わせて29名。
それぞれの毎日をお過ごしになっている。
百年を超える人生の総仕上げをお任せいただけることを誇りに思うと同時に、
増え続ける百寿者を支えるには更なる知恵が必要と感じる。