『よき余韻』
2016年11月4日(金)
今年も青梅、よみうり両院のOB会を開催することができた。
以前、当コラムでも紹介したが、
「OB会」は当院でお身内を見送られたご遺族を対象としたホームカミングデイである。
今年はあるご遺族から
「慶友に入る前の病院での父の姿は思い出したく無いけど、
ここで思い出される父の姿には笑顔しかありません」
との嬉しいお話をいただいた。
その患者様は当院入院中に本を書き上げて旅立たれた方であり、思い出話に花が咲いた。
日本は世界一の長寿国となったのに、
近年「大往生」という言葉が聞かれなくなったように感じる。
医療の関わり、介護の長期化、家族への負担など、
長寿化ゆえにかえって難しくなった事情もあるかと思う。
一方、当院では目指すべき究極のよき旅立ちをあえて「大往生」と定め、
四つの条件を掲げているが、その一つが次のようなものである。
「亡くなった後にかかわった全ての人の心によき余韻が残ること」
今は亡き患者様の最晩年の思い出をご遺族と笑顔で語り合えたとき、
「よき余韻」とはこういうことだと感じる。
そして、大往生をお手伝いできたという手応えこそは、
私達職員にとって一番のやりがいであり誇りである。